レーザー照射
このような症状のかたへ
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- 刺青やタトゥーをとりたい
特徴
刺青・タトゥーを消したい
- ・️ファッション感覚で刺青・タトゥーを入れたが、進学や就職のために消したい
- ・年齢や環境の変化により、タトゥーが合わなくなってきた
- ・タトゥーを消して、自由にファッションを楽しみたい
- ・温泉やプールに行きづらい
さまざまな事情で、刺青やタトゥーを消す必要にせまられる時があります。
タトゥーは除去が難しいというイメージもありますが、現在では医療技術の向上や様々な治療器機の開発により、刺青・タトゥーを除去する方法があります。
除去する対象を分析してみましょう
そもそも、刺青やタトゥーとは、ファッションのために、「針で色素を皮膚に注入する」という行為です。つまり、刺青やタトゥーを除去するとは、顕微鏡的な目でとらえると、「皮膚の中にいすわっている色素を除去する」ということです。
色素の種類が違えば、当然、物理的な性質は異なります。光の波長を利用するレーザー治療は、色素の色によって治療効果が高い場合も、ほとんど効果が出ないこともあります。
また、場合によっては、発色をよくするために金属成分が含まれている色素もあります(刺青を入れているかたがMRI検査を受けられないのはこのためです)。このような場合にはレーザーで思わぬ高熱が発生し、ヤケドをおこしてしまうことすらあります。
色素が入っている深さもさまざまです。一般的に、プロのお店で入れられる色素は、均一に深い部位まで入っている場合が多く、また、自分で入れたり友達に入れてもらった場合には浅く不均一に色素が入っていることがほとんどです。
体のどの部位にどれくらいの面積で刺青・タトゥーがあるかも考える必要があります。関節の近くや、顔などで重要な組織の場合は、除去治療により機能障害が残らないように注意しなければなりません。きれいに除去するには、体のライン、皮膚のテンション、皮膚の溝の向きなどの医学的知識が不可欠です。
当院では除去治療の前に、これらのような様々な情報を、医学的に徹底的に分析します。
刺青・タトゥー除去は、修練を積んだ形成外科専門医が、知識とスキルを駆使しておこなう、高度に専門的な治療です。
複数ある治療の中からランダムに選ぶのではなく、医学的な条件から、もっともよい治療を提案し、安全性・危険性をご説明したうえで納得して治療をうけていただきたいと考えています。
3つの治療方法
当院では、刺青・タトゥー除去に対して3つの治療方法をご準備し、状態に最も適した治療法を選択しています。刺青・タトゥーの色、形、大きさや、皮膚の状態などによっては、これらの治療を組み合わせることもあります。
切除術
植皮術
レーザー照射
色素をレーザー照射によって起きる熱で分解し、皮膚を切除することなく刺青のみを除去する治療法です。
レーザーは単一の波長にそろえられた光であり、この波長を吸収しやすい色の部分だけで高熱を発して、色素を粉々に分解します。分解された色素は、体内のマクロファージと呼ばれる細胞によって吸収されていきます。
レーザー照射は、クリーム麻酔で痛みを抑えておこないます。照射後、2~3週程度で、じょじょに薄くなっていきます。紫外線予防のアフターケアが必要です。1回で完全に消えることはまれで、通常は数ヶ月おきに複数回の照射が必要です。
また、色素の種類や密度によっては、思わぬ高熱を発してやけどする危険性もあるため、場合によっては、反応を見るために、小範囲のテスト照射を先におこなうこともあります。
皮膚にきずあとを残さず除去したい方、切除困難な広範囲の刺青の方、黒系単色の刺青の方、治療期間を取れる方などに適した治療法です。
複数回照射でじょじょに薄くなっていきます。
切除術
刺青・タトゥーが入っている皮膚の部分を手術で切除する治療です。
タトゥーが小さい場合は、一度の治療で除去できますが、範囲が広く、皮膚に余裕がない場合や、関節の近くでテンションが強い場合などには数回に分けて治療を行うこともあります。切除後は、1本線のきずあとに置き換わります。
手術は局所麻酔でおこないます。抜糸は1週間後におこない、その後に、きずあとをテープで保護するアフターケアが必要です。
数回に分けて切除する場合には、3~6ヶ月の間隔をあける必要があります。
赤や黄色調の色素が多い方、レーザー治療で反応が見られない方、刺青・タトゥーが器械で深く彫られている方、治療期間を長く取れず早く除去したい方などに適した治療法です。
植皮術
手術で刺青・タトゥーの範囲を切除し、その部分に体の他の部位からの皮膚を移植する方法です。
植皮は、できるだけきずあとが目立たないように、足の付け根や太もも、お尻、背中などから採取するのが一般的です。
手術は局所麻酔、静脈麻酔でおこないます。植皮が安定するまでの1週間ほど、創部を安静に保つ必要があります。たいていの場合、植皮した部位は、パッチ状に、やや色合いがことなる皮膚になって落ち着きます。
切除が困難な広範囲の刺青・タトゥーがある方、関節の近くで切除やアブレーションにより機能障害のおそれがある方、治療期間を長く取れず早く除去したい方などに適した治療法です。
あなたに適した治療をご一緒に探します
レーザー | 切除 | 植皮 | |
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例 | ![]() |
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適する条件 |
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適さない条件 |
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・ほかの部位から皮膚をとりたくない場合 |
治療回数 | 複数回 | 小さいものは1回。 中等度では2~3回 |
1回 |
施術時間 | 30分弱 (大きさによる) |
1時間 | 1~2時間 |
麻酔 | クリーム麻酔 | 局所麻酔 | 局所麻酔、静脈麻酔 |
治療間隔 | 2~3ヶ月 | 3~6ヶ月 | なし |
注意点 | ・色素の色合いや深さによっては完全に消えないことがある | ・1本線のきずあとに置き換える |
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刺青・タトゥーは、色合い、色素の種類、深さ、大きさ、部位など、条件がひとりひとり違います。場合によっては、一つの方法では完全には消せない場合もあります。また、あとを全く残さずに簡単に消す方法はないかもしれません。
私たちにできることは、刺青・タトゥーの状態を医学的に正確に、徹底的に分析し、限られた条件の中から最も安全で効率的な治療法を見抜き、治療期間や治療回数が現実的かどうかをご一緒に考え抜くことだけかもしれません。
しかし、前向きに動き出さなければ、状況はなにも変わりません。まずは一歩踏み出されることを、クリニックでお待ちしています。