乳頭形成術
このような症状のかたへ
- 片側の乳癌術後で乳頭乳輪も切除されている
- 両側の乳がん術後だが乳頭再建したい
- 残存する乳頭が小さい
- 将来の授乳に支障がでない治療を希望する
- 1回の施術でずっと続く効果持続を得たい
特徴
乳頭乳輪欠損に対する治療
乳がんに対する手術治療の際に、乳頭乳輪も同時に切除される場合があります。この状態を「乳頭乳輪欠損」といいます。
乳房切除術により、胸のふくらみも失われてしまいます。この変形を、手術前の胸のかたちに戻す治療は「乳房再建」です。乳房を再現するためには、まずは乳房再建をおこなう必要があります。
かたちを再現する治療と色を再現する治療
乳頭は周囲の皮膚より高まった部分ですので、この高まりを再現するための治療法は、手術治療となります。
乳頭再建には、切除されていない方の乳頭を移植する方法と、皮膚を組み合わせてかたちを作る乳頭形成術があります。
また、乳頭乳輪ともに、かたちは作らずに色合いだけを入れる治療法もあります。「乳頭乳輪3Dパラメディカル・タトゥー」と呼ばれます。
これは、乳頭と乳輪の色合いを変え、立体的に見えるように乳頭の影や遠近感も再現してパラメディカル・タトゥーで色素を注入する方法です。
触ると平坦で乳頭の高まりはありませんが、少し見ただけでは分からないくらい自然なため、温泉やサウナで人から見られた際に違和感ないようにしたい方、手術治療に疲れた方、簡単に乳頭乳輪を再建したい方などにお勧めする治療法です。
乳頭移植術
片側の乳がん治療を受けた方で、健側の乳頭を縮小してもよいという方に適した方法です。
乳頭の半分を、欠損した側に移植して固定します。健側の乳頭はかたちがキレイになるように調整して縫合します。
移植後は、3ヶ月ほど、乳頭が圧迫や摩擦による刺激を受けないように保護する必要があります。
乳頭形成術
健側の乳頭が小さく移植できない方、健側乳頭を手術したくない方、両側の乳がん治療を受けた方などに適した方法です。
欠損した側の皮膚を組み替えて乳頭の高まりを作成し、沈み込まないように耳の軟骨のごく一部を採取して、「芯」として移植します。皮膚を組み替える方法は、「皮弁形成術」という形成外科の専門的知識を要する特殊なデザインでおこない、また、乳頭のかたち、大きさ、傷の部位などに応じてさまざまなデザインを使いわけます。耳の軟骨の採取量は1cm弱なので、耳のかたちが変わることもありません。
術後は、3ヶ月ほど、乳頭が圧迫や摩擦による刺激を受けないように保護する必要があります。