切除術
このような症状のかたへ
- 粉瘤がある
- 粉瘤を根本的に治したい
- できものがだんだん大きくなってきた
- 目立ちにくいきずあとでできものを取りたい
特徴
粉瘤(とうふのかしー)とは
粉瘤(ふんりゅう)は、沖縄の方言では「とうふのかしー」とも呼ばれ、皮膚の良性のできものの一種です。 粉瘤はもともとは毛穴(毛包)からできます。
皮膚の下にふくろ状の袋状の構造物(嚢胞)ができ、その中に、本来は剥がれ落ちるはずの古い角質、つまり垢が溜まってしまった状態です。
正式な医学名は「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と言い、皮膚の一部である表皮がふくろ状になり、その中にじょじょに垢が溜まっている、いわば水風船のようなできものです。
粉瘤の症状
粉瘤は身体中どこの皮膚にでもできます。皮脂がだんだんにたまり、じょじょに大きくなって、横から見ても盛りあがっていきます。
もともとが毛穴からできるできものであるため、皮膚表面に非常に小さな穴でつながっており、この穴を通じて皮膚の表面にいる雑菌が内部に侵入して感染することがあります。
感染した状態を「感染性粉瘤」とよびます。粉瘤は感染しない状態では特に症状はありませんが、感染すると、痛み、赤み、熱感などの症状をおこします。また、放置して感染が悪化すると、炎症で弱くなった皮膚が破れ、中から垢が膿みに変わった内容物が、皮膚表面に漏れて流れ出ることがあります。そうなると、悪臭を伴った膿みが出続けますので、日常生活に大きな支障が出ます。
切開排膿:感染性粉瘤の処置法
感染して痛み、赤みが出た状態では、まずは感染を鎮めるために、局所麻酔をおこなって粉瘤を小切開し、内部の膿みを出す必要があります。
比較的大きな粉瘤の場合、膿みがたまった状態で、抗生剤や炎症止めを飲んでも、効果はありません。なぜなら、抗生剤や炎症止めのお薬は腸で吸収されたのち、血液で病変部に運ばれて初めて薬効が出ます。粉瘤のなかはもともと皮脂のたまりであり、感染して膿みに変わっても、血流がないので、これらの薬が届かないのです。
したがって、膿みを外に出す(排膿)ことで、感染がじょじょにおさまっていきます。
切開排膿後、創部を毎日シャワーでよく洗い流す必要があります。
切開排膿で感染は落ち着きますが、粉瘤自体は体内に残っていますので、感染が落ち着いたあと、2〜3ヶ月待ってから粉瘤を切除します。
切除術
感染がない状態で、粉瘤をすべて除去する、根治的な治療法です。
きずあとが目立ちにくいように、できるだけ小さな切開から、粉瘤のもとになった毛穴の開口部を含む皮膚の一部とともに、粉瘤をきれいに切除します。
切除後は形成外科的縫合法で縫合し、1週間後に抜糸します。 テープ療法によるアフターケアを、少なくとも2〜3ヶ月おこなうことで、じょじょにきずあとは目立たなくなっていきます。