ボトックス
このような症状のかたへ
- 目尻の小ジワが気になる
- ちりめんジワが気になる
- いつも表情ジワによる小じわが多い
- メスで切らない治療がいい
- 腫れや内出血がない治療がいい
特徴
ボトックスとは
ボトックスの有効成分であるボツリヌストキシンは、ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種です。
神経と筋肉が結合する部分で、神経の命令を筋肉に伝えるアセチルコリンという物質の分泌を阻害することで、注入部位周囲の筋肉収縮を一過性にやわらげます。
*「ボトックス」は、アラガン社の登録商標です。
厚生労働省やアメリカのFDA(米食品医薬品局)での医療承認を受け、安全性が確立している治療法で、眼科、神経内科、整形外科などの分野では、斜視、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、尖足、上肢痙攣、下肢痙攣など、さまざまな神経性の疾患に対してボトックス治療がおこなわれています。
形成外科・美容外科の分野では、
- 1.額の横じわ、眉間の縦じわ、目尻の笑いしわ(カラスの足跡)、あごの凹凸(梅干しじわ)、唇のすぼみじわなどのしわの治療
- 2.ガミースマイルの治療
- 3.えら張りの治療
- 4.口角のつりあげ
- 5.わきや手のひら、足の裏などの多汗症の治療
などに対して、ボトックス治療が有効です。
ボトックスの作用の仕組み
ボトックスは、神経筋接合部という部位で、神経の命令を筋肉に伝えるアセチルコリンの放出を抑えます。これにより、筋肉の収縮をやわらぎ、目的の治療効果を発揮します。
施術の概要と経過、アフターケア
麻酔クリームを塗布したのち、施術自体は5分〜10分ほどで終了します。
当院では、顔面の筋肉構造を熟知している、顔面の形成治療を専門とする形成外科専門医が施術をおこないます。
当日から洗顔やメイク、入浴等は可能ですが、注入部位を強くこすったりマッサージすることは禁止です。
効果は施術後2、3日後くらいから現れます。両側の治療では軽い左右非対称や、目の周囲では軽度の瞼の垂れ下がりが1〜5%ほどの頻度で報告されていますが、通常3〜4週間で自然に治っていきます。
注入した部位の筋肉の収縮はボトックス治療により抑えられるため、しわは消えますが、表情をつくる際に、治療部位だけは筋肉を動かしにくくなります。
重症筋無力症などの神経疾患の既往がある方は、効果が強く出過ぎたりする場合があるため、ボトックス治療を受けることは禁止されています。
効果の持続期間としては、3〜4ヶ月間持続し、半年後には自然に元の筋肉の動きが戻ってきます。表情じわをつくる筋肉を萎縮させ、効果を持続させるためには、定期的に繰り返し治療を受けると効果的です。反復注射により、効果維持期間が長くなったり、効果が高まります。
Botox治療のご紹介ムービー
医療承認を受けた正規のボトックスとVST認定医の安全性
アラガン社のボトックスは、アメリカのFDAおよび、国内では厚生労働省による医療承認を受けています。
すなわち、厳しい管理の下、無菌状態で製造・保管・輸送されており、不純物を含まない有効成分の含有が保証され、高い安全性が確保されます。
また、アラガン社では正規の製造販売承認を取得した製品を使用し、特定の講習を経て確かな技術・知識を有する医師に、認定制度を設けています。
この認定制度により施注資格を受けた医師が、確かな技術に基づき施術する治療を「VST:Very Sophisticated Treatment」と呼び、当院ではVST認定を受けています。施術の安全性を確保し、最大限の治療効果を引き出すための証明です。
表情じわに対するボトックス治療
表情じわに対する治療では、しわができる原因となっている表情筋(顔の表情を作る作用を持つ筋肉)の収縮をやわらげて、しわを消します。
額の横じわ、眉間の縦じわ、目尻の笑いしわ(カラスの足跡)、あごの凹凸(梅干しじわ)、唇のすぼみじわなどは、しわに直交する筋肉の過剰な収縮が原因ですので、ボトックス治療が有効です。
いっぽうで、法令線やマリオネットラインなどの深いしわは、通称「たるみじわ」とも呼ばれ、顔面の皮膚がたるみ、おりたたまれることによって発生します。
たるみじわに対してはボトックス治療は無効です。スプリングリフト、ヒアルロン酸注入、PRP-F、脂肪注入などが有効です。
ガミースマイルに対するボトックス治療
ガミースマイルとは、笑ったときに上顎の歯茎が大きくのぞいてしまう状態です。
手術による修正も可能ですが、注射だけで治療したい方には、ボトックスによる治療が有効です。
口を開く筋肉の収縮をやわらげて、笑っても歯茎が出にくくします。
えらの張りに対するボトックス治療
えらの張りの治療では、「咬筋」という筋肉を細くすることを目的に、ボトックス治療をおこないます。
日本人のえらの張りの原因は、ほとんどの場合で、骨の突出が原因ではなく、顎の両側にある咬筋が分厚いタイプである「良性咬筋肥大症」です。ボトックスを咬筋に注射し、筋肉を細くしてえらの張りを改善させます。
咬筋の肥大は、奥歯をぐっと噛んだ時の、耳の下から顎にかけてのふくらみを触れることで確認することができます。
顎の骨を削る治療は手術が必要で、術後の内出血や腫れも強いため、ボトックス治療は良性咬筋肥大症に対する治療において、最も適した治療です。
施術は、咬筋へボトックスを注射するだけなので、5分〜10分ほどで終了します。施術後、1ヶ月弱くらいから、じょじょにほっそりとしたフェイスラインになり、えらの張りがなくなっていきます。また、人によっては顎関節症や歯ぎしりも治ることがあります。
顎を閉じて奥歯を噛む筋肉は、咬筋以外にも複数あり、肥大した咬筋が細くなっても噛む機能に支障は出ませんので、心配いりません。
1回の注射だけの場合では効果は半年ほどですが、筋肉を使わないことにより咬筋は萎縮し、注射前より細い状態となります(この現象を廃用性萎縮と言います)。その後、再び咬筋を収縮が始まることによって咬筋の太さはある程度太くなりますが、完全に元の太さまで戻るわけではなく、ある程度の効果は永久に残ります。
繰り返し注射することで効果的に筋肉そのものも縮小していき、永久的な小顔効果を得ることができます。
口角のつりあげに対するボトックス治療
口角が下がっていると怒っているように見られてしまうことがあり、印象が悪く見えてしまいます。 また、年齢とともに口角を持ちあげる筋肉も弱まり、重力の影響で 口角が下がってきてしまいます。
ボトックス注射により、口角を下に引っ張る筋肉(口角下制筋)の力を弱めて、口角が下がらないようにし、自然な感じで口角が上がるようにします。
多汗症に対するボトックス治療
多汗症は、わきや手のひら、足の裏などからの発汗が非常に多く、日常生活に支障をきたす疾患です。
汗を出す分泌腺であるエクリン汗腺は、自律神経の一種である交感神経からの命令に支配されています。
ボトックス治療では、この神経の命令を遮断して、汗の分泌を抑えます。
多汗症に対するボトックス治療の詳しいご説明は、こちらをご覧ください。