傷痕・ケロイド
傷痕による「ひきつれ」
きずあとは、ケガをした直後より、じょじょに縮む性質を持っています。これは、生体がケガを早く、強く治そうとする、自然な現象です。「創部の収縮」と呼ばれます。
ところが、この現象が、動きに関係する場所に起きると、不便な症状の原因となります。
例えば、まぶたや唇のまわりに起きると目が閉じれなくなったり、口を閉めきれなくなるなどの症状が出ます。また、肩や肘、手足などの関節の近くのきずあとでは、曲げ伸ばしが不自由になることもあります。
さらに、成長過程のお子様の場合には、きずあとによりその周囲の組織の成長が邪魔されてしまう可能性があります。
このようなひきつれを「瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)」と呼び、治療の対象となります。
運動障害を伴う瘢痕拘縮は、
健康保険による治療の対象となります。
機能や成長に関する障害を起こす可能性のある疾患ですので、お早めに専門医にご相談ください。
治療に適した時期
ケガから間もなく、まだきずあとに赤みがある時期は、組織の変化が進行中であり、また、ひきつれの程度も判断しにくいため、治療に適しません。
きずあとはだんだんに、盛り上がりや赤みが目立ちにくくなり、痒みや、固さも治っていきます。瘢痕拘縮形成術は、これらの変化が安定してからおこなう必要があります。個人差もありますが、一般的には半年から1年ほどで安定します。
時間経過とともにきずあとが大きくなったり、赤み、痒みが強くなる場合には、ケロイドの発生の可能性がありますので、お早めに受診してください。
ケロイドとは
ケロイドは、きずあとが垂直方向に盛り上がったり、もともとの範囲を超えて水平方向に拡大していく疾患です。通常、ケロイドは赤みを帯び、痛みやかゆみなどの自覚症状を伴います。

ケロイドに対する治療法には、さまざまなものがあります。
ケロイド切除術、レーザー治療、ケナコルト注射、ステロイド外用治療、内服治療、圧迫療法など。詳しくはお問い合わせください。
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