臍ヘルニア形成術
このような症状のかたへ
- でべそが気になる
- 幼いときからでべそがある
- 深く縦長なかっこいいおへそにしたい
- おなかを出してファッションを楽しみたい
特徴
でべその原因
学校でのプールや水遊びで、おへそはどうしても見られる場所。大人になってからも、おしゃれを楽しみたい時に気になる場所でもあります。そんなおへその形の悩みとして最も多いのは、やはり「でべそ」です。
幼少期からのでべそには、主に二つのタイプがあります。
一つは、でべその下に小さな穴(ヘルニア門と呼びます)があって腸菅や腹水などが押し出してきている「臍ヘルニア」というタイプです。
もう一つは、ヘルニア門はないがでべその下に瘢痕組織が塊になっていたり、ヘルニアが閉じた後に皮膚のたるみだけが残ってしまった「臍突出症」というタイプです。
一般的に、臍ヘルニアは立った状態でお腹に力をいれるとおへそのふくらみが大きくなりますが、ヘルニア門が小さい場合には分かりにくいこともあります。
また、幼児期(一般的には12才くらいまで)に小児科で綿球による臍ヘルニアの圧迫療法をおこなっても、ヘルニアが閉じなかったり、臍突出症に移行してでべそが残ることもあります。
いっぽうで、大人になってからのでべそには、出産後や肥満、腹部手術後などがきっかけとなっておきる、腹直筋離開、白線ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなどが原因の場合が多く見られます。特に、出産後にでべそになったまま戻らなくなる腹直筋離開にお悩みの方がたくさんいらっしゃいます。
でべその治療
幼児期以降にでべそが残存していたり、大人になってからでべそになった場合には、手術による治療がおこなわれます。
臍ヘルニアがある場合には、押し出されてきている組織を腹腔内にきちんと戻した後で、ヘルニア門を閉じて腹直筋が一つに合わさるように縫合し、補強します。
臍ヘルニアがある場合にも、臍突出症だけの場合のどちらでも、おへそがキレイに陥凹した形になるように調整します。
そのために、おへその形に応じて、次のような3つのパターンに分類し、それぞれに適した手術デザインを選択します。
- 1.おへそになる部分の皮膚の面積が不足している場合。
- 2.おへそになる部分の皮膚の面積がぴったり合う場合。
- 3.おへそになる部分の皮膚の面積があまっている場合。
特に、皮膚の面積が不足している場合には皮弁形成術という形成外科の専門的な手技が必要となります。
術後の注意点
臍ヘルニアの術後は、腹筋運動などの腹圧が強くかかる運動を1ヶ月は避ける必要があります。強い腹圧がかからない運動(ウォーキングなど)は、1週間後くらいからじょじょに可能になりますが、無理をしないように注意が必要です。
臍突出症のみの場合には、抜糸後の運動は特に問題ありません。
もともとの臍の大きさやかたち、手術デザインによっては、術後しばらく、臍のくぼみに綿球をあてたり、臍全体をガーゼ保護するなどのアフターケアが必要な場合があります。