埋没耳 耳介形成術
このような症状のかたへ
- 子供のころから埋没耳変形がある
- 耳の上部が埋もれたりかぶさったようになっている
特徴
埋没耳とは
埋没耳とは、耳の上部が側頭部の皮膚に埋もれ込んだ状態になっている生まれつきの変形です。袋耳ともいいます。
指でつまんで引っ張り上げることができますが、指をはなすとまた埋もれ込んだ状態に戻ってしまいます。多くは片側の耳の変形ですが、両側とも埋没耳のこともあります。発生頻度は頻度としては、1000人に2.5人の割合で発症すると言われ,生まれつきの変形としては比較的発症頻度の高いものです。
発生原因はまだはっきりと分かっていませんが、耳介後面の筋肉の異常により埋没耳が起きるという説が有力です。犬などの動物が自分の意志で耳を動かす筋肉を収縮させることができます。人ではほとんど退化していますが、耳のかたちの維持に耳の筋肉が関与しており、これらの筋肉の異常により埋没耳が起きると言われます。
マスクやメガネがかけにくい
埋没耳の症状は変形だけですで、聴力への心配はいりません。
機能的には耳の上部が埋もれていて、マスクやメガネがかけられないため、学校での活動、学業に支障をきたすことがあります。
かたちの問題としては、上が埋もれ込んで下半分に膨らんだような印象を与えます。
埋没耳の手術治療
矯正治療で修正が困難だった場合や、1歳以降で治療を開始する場合は手術による治療を行います。この場合の治療に適した時期は3歳くらいから就学前後です。
手術では、軟骨の変形を修正し、時には不足している軟骨を移植して正常なかたちを作ります。
また、埋没耳を外に引き出した状態にするためには、埋もれていたところから耳の上部の表面と裏面がせり出してくるわけですから、これらの差分だけ、皮膚が不足することになります。この不足に対して、周囲から皮膚を移動してきます(皮弁形成術)。埋没変形の程度、反対側の耳の状態などを総合的に評価して、これらの軟骨と皮膚の手術デザインを決定します。形成外科の様々な技術を総合しておこなう、専門性の高い治療です。
治療は健康保険が適応されます
手術は健康保険が適応されます。また、幼少時の医療費は市町村からの「こども医療費助成制度」が利用できます。詳細は、お住まいの地域の役所にお問い合わせください。